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2020.05.27

新しい断酒法?しらふの人生を楽しむSober Curiousが人気の理由

お酒をやめたい、でもしらふで会食に参加したりお祝い事の最にお酒がないなんてなんか味気ないし、二度とのめないのはちょっと…となかなか断酒に踏み切れない方も多いと思います。

仕事で疲れたあとの冷たいビールや、美味しい食事にあう高級ワインや日本酒、お祝い事のシャンパンなどは格別ですよね。お酒を人生にポジティブに取り入れている方は、無理にお酒をやめる必要は無いとは思いますが、健康上の理由などからやめたくてもやめられないという方に読んで頂きたい今回の記事です。

お酒のない人生ってどんな感じなんだろう?二日酔いのない毎日ってどんな感じ?友達と食事に行ってお酒をのまない3時間って?なんでみんなで集まる時必ずお酒があるんだろう?お酒は社交の円滑油だししらふで私へーきかな?—— そんなことを少しでも感じる方は、アルコールとの関係を見直すSober Curious(ソーバーキュリアス)になってみるのはいかがでしょうか?


https://www.amazon.com/Sober-Curious-Blissful-Limitless-Connection-ebook/dp/B0796V2RPG

ソーバーキュリアスムーブメントの火付け役である本 ”ソーバーキュリアス:至福の睡眠、集中力の向上、無限に今を感じること、深いつながり——お酒のある生活の反対側にあるもの” の著者いわく、『ソーバーキュリアスになるということは、何の疑問も持たずにお酒の文化に流されるのではなく、お酒に対する衝動や期待、招待に対して質問したり何でだろう?と考えること。』だそうで、ソーバーキュリアスという文化自体は『しらふになる』というライフスタイルチョイスを応援はするものの、お酒を真っ向から否定したり、お酒の害を並べて恐怖心を煽るものではありません。まだお酒をやめたくない方もソーバーキュリアスになれるので、ソーバーキュリアス=断酒という究極の選択というわけでもありません。しかし冷静に深くよくお酒について考えると、お酒のない生活に魅せられ結果的に断酒という選択につながるそうです。

ミレニアルズを中心にNYやロンドンなどの都市でムーブメントとなっている背景には、野菜中心の食生活やヨガ、マインドフルネスの人気などにも見られるように健康志向ブームがあります。若い世代においてタバコやお酒で自分の体を害するのはかっこ悪いし、今を100%を楽しめないなんてもったいないと、ヘルシーに10代20代を謳歌しています。そんな若者をサポートすべく、ノンアルコールバーの軒数は全米に一気に増加し、Daybreakerといわれるお酒なしのクラブイベントも人気を博しています。
これまで、お酒ののめない人はバーや居酒屋に行くとのめるものが少なく肩身の狭い思いをし、限られたチョイスからのみ物をオーダーすると周りに何でのまないんだ、と責められるというパターンだったナイトシーン。これに対し、お酒をのめない人が楽しめる場所もあっても良いんじゃないかという思考から生まれたノンアルコールバーやクラブには、アルコールを含まないカクテルやKombuchaなどが豊富に取り揃えられ、しらふの若者たちが集っています。(新型コロナウィルス発生前)



Mat Snapp, beverage director of Fox Restaurant Concepts. FOX RESTAURANT CONCEPTS
『Beyond The Arnold Palmer: Intriguing Non-Alcoholic Drinks Are A Bar Trend For 2019』 on Forbes
https://www.forbes.com/sites/michelinemaynard/2018/12/16/beyond-the-arnold-palmer-intriguing-non-alcoholic-drinks-are-a-bar-trend-for-2019/#c25129913992

『よく考えたらおかしな話なんだけど、昔は、お酒をのまないっていうとみんな私を心配するの。どっか体調おかしいの?妊娠?って。さらに、のめないなんてかわいそう、って。』『お酒なしのデートなんて考えられなかったけど、冷静に考えてみたらそんな状態で交際相手を選ぶのっておかしいよね』とBBCのソーバーキュリアスの特集番組で回答している若者を見て、時代は変わったなあと感じました。おしゃれしてお酒をのみに行くのが当たり前の楽しみ方だったSex And The City世代の私としては、アルコール無しで楽しめる選択が豊富にあるというのは羨ましい限りです。



お酒をのむ事が当たり前であるこの社会を様々な視点から考え直すSober Curious。特別画期的な方法でもないのにここまで受け入れられ浸透されているのは、インターネットによる情報の自由化も手伝っています。消費者が得たい情報を選択できる現代において、『お酒は人生において必要なもの』という概念を植え付ける手段が減っていると言えます。映画で描かれたお酒のシーンや、かっこいいお酒の広告など、お酒に対するイメージは、限られたメディアを活用して資本主義が作り上げた幻想だった、と認識できる環境下だからこそ、Sober Curiosityに対して納得のいく結論が導けるようです。
禁煙セラピーで知られるアレン・カーの著書、禁酒セラピーにも同様の内容が書かれていますが、世の中のあらゆる情報源がお酒は良いものだと伝える中では、お酒に対する疑問を持つ事自体ナンセンスな気がしてしまう、そんな時代だったのかもしれません。

次回お酒を口にする前に、なぜのむのかをじっくり考えてみてはいかがでしょうか?

参考:
Sober Curious by Ruby Warrington
https://www.amazon.com/Sober-Curious-Blissful-Limitless-Connection/dp/0062869035/
https://www.verywellmind.com/what-does-it-mean-to-be-sober-curious-4774971
https://www.forbes.com/sites/michelinemaynard/2018/12/16/beyond-the-arnold-palmer-intriguing-non-alcoholic-drinks-are-a-bar-trend-for-2019/#c25129913992

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