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2020.04.14

ゲームやオンライン学習との付き合い方

A child having a tablet

新型コロナウィルスの影響で世界中の学校が閉鎖される中、想定外にスクリーンタイムが与えられて喜んでいる子供も多いようです。学校や企業も積極的にオンラインコンテンツを提供し必然的にインターネット経由で情報を得る現在、スクリーンタイムをめぐるディベートは『スクリーンタイムはアリかナシか』から『どのようにスクリーンタイムを過ごすか』にシフトしています。幼い子供にデジタルデバイスを与えることに嫌悪感を感じる親は多いようですが、今回の状況で、デジタルデバイスのもたらす好影響も着目されているようです。


キレやすい子供になる、人と接するのが苦手になる、などと言ったスティグマのあったデジタルデバイスが、人と接する唯一の手段となり、デジタルデバイスにこれまで触れていなかったアクティブな子供たちは今、外出出来ずにキレているという状況に。ユニセフのリサーチでは、メンタルや社会性においてデジタルデバイスの与える影響は少ないという事実も。とはいえ、デジタルデバイスに頼りすぎて、ベビーシッターや先生、親の代わりとして、全てをデジタルデバイスに任せてしまうのも問題です。iPadを渡して朝から晩まで放置するような環境を作るのではなく、一緒にコンテンツを楽しんだり、その後にどう感じたか、次はどうやって取り組むかなどの予定や目標を立てる事で、さらに効果的にコンテンツを消化できます。


私の4歳の息子も、3月中旬からPreSchoolが休校となり、今月行われるはずだったボストン日本語学校の入学式も見送られました。自宅で出来る教材のダウンロードや郵送、動画リンクの送付など、積極的にコンテンツを提供してくれる日本語学校と、休校の案内と同時に連絡が途絶える現地のPreSchoolと、その学校の緊急時の対応に大きな差が見られたのも印象的でした。日本語学校の担任の先生のご挨拶動画は、数分の短いものでしたが、息子はしっかりと集中して画面を見つめ、質問には大きな声で答えていました。動画はインタラクティブではないものの、子供にとっては1on1で話してくれている感覚になるので、より真剣に向き合う気がします。また、学校でどのような事を習っているのか親が良くわかるというのも利点です。今日学校の動画で習ったよね、と普段の生活ですぐに復習が出来るので上達が早くなる上、教え方を統一する事で子供も混乱しない気がします。先生と異なる意見があれば、違った意見も子供に説明出来るので、様々な物の捉え方を教えられます。先生としてはいつも授業参観があるような感じで緊張感が絶えなそうですね。


A child having a tablet


ゲームに関しては賛否両論ありますが、弊社には、自分自身がゲームで育ったという経験を持つ者が多いので圧倒的にゲーム支持派です。会社を設立して20年近くになり、社内に子供を持つ親が増えた事で、子育てに関する話題が増えました。息子が何時間も ゲームをする事に対してこれで良いのか会社のメンバーと話すと『健康的だ』という意見ばかり。専門家の意見ではありませんが、自らの経験で良かったと思う人が多いのであれば、まあいいかと思えてきます。

私は個人的にロールプレイングや対戦ものに惜しまなく時間を費やした経験はないので、それらから得るベネフィットに関してはよく分からないのですが、テトリスやぷよぷよ、数独などのパズルゲームは大好きでした。長時間プレイする事で、実生活でもスーパーで陳列されている商品を見てテトリスを思い出したり、目を閉じるとブロックが上から落ちてくる事を考えてたり、といういわゆるテトリスエフェクトは、ポジティブシンキングや脳を効率的に使うのに効果的という研究結果もあり、こんな状況だからこそゲームに没頭させる時間があっても良いのではと思います。


学校に行かない事で、人の気持ちを理解する心を養ったり社交性を高めたりする事が出来ないのでは?と心配する声が多いと聞きました。これに関しても様々な考え方がありますが、アニメや映画で、感動したり、主人公に共感したり、道徳を学んだりと、デジタルコンテンツから学べる事はたくさんあります。子供の時に見て印象的だった作品や、衝撃的すぎて人生が変わった作品などがある方も多い事でしょう。そうした経験をアニメや映画を通じて共有する事で、親として伝えられる事もたくさんあると思います。多くの人が情熱を注いで作った作品を一緒に見て、終わったら『はい、早く寝なさい』ではなく、何を感じたか、なぜそう思ったか、私はこう感じた、などのコミュニケーションをはかることで、子供がどういう人間なのかを知り、私はどういう人間なのかを子供に知ってもらうための対話が生まれます。子供番組を見たってしょうがない、と子供のスクリーンタイム=親のフリータイムにするのではなく、人間性を高めるコンテンツとして向き合い、内容を慎重に選ぶのも、コンテンツを消化する上で重要です。また、語学を学ぶのにもデジタルコンテンツは有効です。私の周辺にも、アニメで日本語を覚えたという方も多く、私も映画通じて英語を多く学びました。『日本語を忘れないようにしたい』あるいは『少しでも早く英語に慣らさせたい』と、願いに応じてコンテンツを選び、日常会話に触れさせる事が可能です。

コンテンツによっては、こちらが心配してしまうような差別的発言があったり、暴力的な表現があったり、政治的な陰謀があったりと、子供向けでない内容を晒している危険も感じるかもしれませんが、それはデジタルコンテンツに限った事ではなく、むしろ日常の方がvulnerableという意見もあります。また、問題のある内容に遭遇した時に、何が問題でなぜ問題なのかを説明する事で、物事の善悪を判断する知識が得られることでしょう。

とはいえ、やはり子供とずっと一緒に過ごして全て説明しているわけにはいかないので、なるべく優良なコンテンツにふれさせ、子供が自ら学んでくれるような環境が理想的です。
この状況を気に、学校や友達と積極的に情報交換をしてデジタルコンテンツに精通することで子供への理解も深まるかもしれません。


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